私は鳥が好きなのでペットショップ巡りをよくしていました
休みの日は県内の鳥を扱っているペットショップ、ホームセンター、全部回る! という勢いで巡っていたときもあります
鳥と触れ合えるカフェも好きです
ただ、ここ数年はほとんど行っていません。その理由として「感染症を持ち帰ってきてしまうリスク」があるからです
うちのお店では全羽がPBFD、BFD、鳥クラミジア、鳥ボルナウイルス、の検査を実施しており陰性の子しかいません。保護鳥などでたまに陽性の子を引き取りますがそういった子は専用の感染症隔離室がありその部屋で過ごしています
※余談ですが、感染症隔離室の子のお世話(掃除、エサやり、放鳥)は1日の一番最後に1回だけ実施します。その理由はスタッフの衣服にウイルスが付着するからです。1日の最後にやればそのまま帰宅して即洗濯、シャワーを浴びてウイルスを落とせますので。里親さんなどでPBFDの子がみたいと営業中に着た際は一緒にご案内しますが、案内したスタッフは案内後に一時帰宅して洗濯、シャワー、着替えをして再び出勤となります
ここで本題となりますが、久しぶりに他店のペットショップへ行ってきました
当店では扱っていない商品でちょっと欲しいものがあるためお買い物です。そこは犬猫鳥小動物など全般を扱う総合ペットショップです
入店後、まずは鳥コーナーで珍しい鳥やかわいい鳥がいないかチェックしました。多分、多くの方も同じだと思います。
珍しい鳥種など特に気になる子はいませんでしたが、1羽だけPBFDっぽいかな?というセキセイインコを見つけました
正直、これは珍しくありません。適当に10羽セキセイインコ選べば1羽はPBFD陽性ですので、20羽、30羽、と鳥がいるペットショップでは2~3羽のPBFD陽性の子がいるのは普通です。
1分ほどちょっと気になるセキセイインコを眺めたあと、購入目的の商品を探してそのままレジでお会計、退店しました。
ペットショップでの滞在時間としては合計5分程度です
鳥を眺める ・・・ 1分
商品を買う ・・・ 3分
移動など ・・・ 1分
ここで「自分にPBFDウイルスが付着しているのか」が気になり、退店後すぐに自分の店に戻り、動物遺伝子検査機器でPBFDウイルスの有無を検査することにしました(私は動物遺伝子検査会社を経営しています)
検査の対象は自分の衣服と購入した商品の2種類です。
検査した場所とその検査結果は図の通りです


当初の予想として「売り場にある商品」からPBFDウイルスが検出されるのは想定通りでした
鳥と商品が同じ空間、空気を共有しているのですから目に見えない脂粉、羽、乾いた糞の微粒子、などが舞って商品に付着する可能性が十分ある、というか普通に有りえます
ただ、そのウイルス量が思っていたよりも多いのが衝撃でした。想定では商品には1000個ぐらいかな。Tシャツには100個かそれ以下かな?と思っていましたが・・・その結果は
今回購入したエサ袋のパッケージ外側には5cm×5cmの範囲に2500万個のPBFDウイルスが付着していました。これはそのままインコに袋を舐めさせたら感染する可能性が高い量です。PBFD感染鳥から排泄された糞便もこれぐらいのウイルス量だったりします
次に驚いたのが「衣服」からも検出されたことです
インコを抱っこしたり、もっと長時間いたら検出されるだろう、とは思っていましたが1分程度の短時間インコを眺めていただけで衣服5cm×5cmの範囲から160万個のPBFDウイルスが検出されたのは予想外で衝撃でした
この160万個という数は、この衣服に生後間もないセキセイインコを近づけたらそのヒナはPBFD感染する可能紫衣が高い、という数です
自宅にもたくさんの鳥たちがいますのでこのまま家に帰るわけには行きません
帰ったら何よりも先に着ていた衣服は即洗濯して、そのままシャワーを浴びて着替えました
また、ペットショップで身につけていた「腕時計」と「スマホ」「車の鍵」は弱酸性アルコール消毒液の「ラビショットA」と「弱酸性次亜塩素酸水」で消毒しました
※やりすぎると防水であってもスマホも腕時計も壊れます。過去に壊しましたので注意下さい
洗濯はアリエールの強力殺菌できるやつを使っています。洗濯洗剤なのに「混ぜるな危険」のすごく効きそうなのでこれを買いました。また、洗濯後は乾燥機で熱風乾燥しています
※洗濯乾燥後、このTシャツからウイルスは検出されませんでした
また、購入した商品のパッケージは次亜塩素酸水を噴霧してティッシュで拭き取りしています

PBFDに限らず、BFD(ポリオーマ)や鳥ボルナウイルスなどは親鳥から子への感染が主ですが、ペットショップでの販売時などで同じ空間にいると同居鳥や近くの鳥へ空気感染もします
そして、1羽しか飼っていない、自宅から出したこともない、お迎え時には陰性だったのに数年後に発症して陽性になる、という感染経路が不明な子が稀にいます。そういった子の感染経路が実は飼い主さんの衣服についたウイルスだった、という可能性が十分あります
かわいいインコたちとの巡り合うためにペットショップや鳥カフェ巡りが趣味という方も多々いるかと思います。他の鳥がいる場所にいった後は、自宅に帰ったらすぐに衣服はすべて洗濯してシャワーを浴びて下さい。また、動物病院などへ愛鳥を連れて行く際は待合室で鳥を出したりせずくれぐれもご注意を。ペットホテルへ預ける際は預けるときに陰性証明書が必要な場所を選ぶ、など対策をして下さい
大切な愛鳥を守ることができるのは飼い主さんだけです
最後に、当店では感染症対策をバッチリ行っています。鳥の部屋と商品売り場は隔離されており、空気の流入も考えています。空気自体も常に紫外線や次亜塩素で殺菌、消毒していますのでご安心下さい
ただ、鳥インフルエンザのシーズンになったら念には念を入れて鳥のいる場所への立ち入りは禁止となり見ることはできません
今後、機会を見つけて他ペットショップからやってきたお客さんに協力いただき衣服ウイルス調査や楽天市場などネット通販で買った商品にウイルスがついているのか、PBFD以外の感染症(ボルナなど)などいろいろと継続調査したいと思います

宣伝になってしまいますが、今回の測定はリアルタイムPCRの絶対定量という方法でPBFDウイルスを検出、個数測定しています
1サンプル1万円から検査お受けできますので「私もやってみたい!」という方は とりっぴー または ペット遺伝子研究所 までお問い合わせ下さい。今回の例ですと「Tシャツ」と「商品」で2サンプル、誤差補正のためにそれぞれ2回ずつ測定したので合計4万円の検査費用となります
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